ジェンダーギャップ指数 測り 方
※赤字は100位以下 出典 World Economic Forum, Global Gender Gap Report 2011~2015 (http://www.weforum.org/reports)をもとに作成。 ジェンダーギャップ指数の教育項目の問題点 4. 女子教育問題の見落としが致命傷になる理由, 1. ジェンダーギャップ指数の教育項目の問題点問題点①2006年基準を使い続けるのが適切か?2006年というと、今から12年前になりますが、その時の基準を使い続けるのは適切でしょうか?確かに、日本経済のように12年どころか、30年ぐらいも大した成長をしていない指標に関していえば、それでも大きな問題が発生しないのかもしれませんが、教育におけるGPIに関してはマズいと思います。, 最大の理由はこの間に設定されていた国際目標です。国際協力関係者以外にはあまり馴染みが無いかもしれませんが、2000年をスタートに2015年までに目標を達成しようという、国連ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals: MDGs)というものがありました。この間は、教育や保健など様々なセクターがこれを達成するために、MDGsとして指名された分野にリソースを集中させていました。教育分野には主に目標が二つあって、一つは初等教育の普遍化、二つ目は各教育段階における男女間格差の撤廃でした。なので、二つの項目が交差する低所得国の女子の初等教育就学率改善を狙ったプロジェクトに各ドナーがこぞって支援をしました。下の図がこの間のGPIの変動ですが、目盛りの関係で大変見づらいですが、2015年のターゲットに向けて右肩上がりで改善しています、このターゲットが期限切れになると途端に値が悪くなり出したのが、国際協力業界のダメな所を象徴してもいますが。, もちろん、高所得国の初等教育はほぼ普遍的なので男女間格差は存在していませんし、国の経済的発展段階が上がると初等教育での男女間格差は縮小します。つまり、この間に低所得国の初等教育のGPIが改善したということは、より一層この指標の変動が縮小しているわけですし、この間に多くの国が低所得国から低・中所得国へ、低・中所得国は高・中所得国へと経済成長を遂げているわけですから、この縮小はより加速されています。このような点を考えると、2006年の重みづけをそのまま使い続けるのは妥当だと言えないでしょう。そもそも、2006年の時点で既に初等教育GPIのウェイトは教育全体の半分近くあった(=各国間でバラつきが少なかった)わけで、よりバラつきが減少しているはずの現在において、この指標を使い続けているのがそもそも妥当ではないと私は考えます、理由は次の項目で論じますが。, ②そもそも4つの指標に重みを付けて、教育とジェンダーの問題を評価するのが適切か?私は4つの指標に重みを付けて、その平均で教育とジェンダーの問題を評価するのは適切ではないと考えます。なぜなら、ジェンダーの問題を抱えている国は、その経済発展の度合いに応じてジェンダー格差が現れる教育段階が異なってくるからです。これまで私が仕事をしてきたいくつかの国を紹介しましょう。, まずはマラウイです。日本人にはあまり馴染みのない国かも知れませんが、紛争の影響が無い国の中では世界で最も貧しく、ジェンダーの問題も酷く、官僚のキャパシティも…これ以上は愚痴になるので止めておきます。そんなマラウイですが、最新のDemographic and Health Survey(DHS)の結果を見ると、初等教育の純就学率GPIが1.01、中等教育が1.03となっています。え、貧しくてジェンダー問題も酷いのに、中等教育ですら女子の方が純就学率が高いの?、ジェンダーギャップ指数が機能しないのでは?、と不思議に思うことでしょう。, 一般的に、高・中位所得国辺りが分岐点となって、それよりも貧しい国は貧しければ貧しいほど格差が大きくなり、それよりも豊かな国は豊になればなるほど格差が縮小するという傾向があります(クズネッツの逆U字と呼ばれる現象です)。マラウイぐらい貧しい国になると、格差もとても大きくなります。こうなると、初等教育は特に女子教育を中心にドナーが湯水のごとくお金をつぎ込んだので良いとして、ドナーのお金が集まらなかった中等教育の状況がどうなるかというと、一握りのお金持ちのお子様達しかアクセスできないという状況が発生します。実際にDHSの結果を見ると、所得を5分位に切った時に、最貧困層の中等教育純就学率は4.4%しかないのに対し、最富裕層は41%と10倍近い格差が生じています(マラウイの富裕層の分布を考えると5分位で切るのではなく、10分位ぐらいで切らないと最富裕層の動向を捉え切れないのですが)。もちろん、最貧困層の4.4%という0の誤差的な値ではそもそも男女間格差が大きくなれないですし、最富裕層は子供の人数も少なく資金もふんだんにあるので、子供を男女分け隔てなく学校に送るようになります。つまり、教育段階別の純就学率で切ると、男女間格差が見えなくなってしまうのです。, では、どこに男女間格差が現れるのかというと、年齢別の就学率です。マラウイぐらい貧しい国だと、教育システムもボロボロなので、子供が留年しまくりという状況になります。この結果、15歳という中学校2年生に相当する年齢になっても、80%の子供はまだ小学校にいるというトンデモナイ状況になりますが(10%が中学校、10%は学校に行っていない)、総ではなく純の方の就学率を使うと状況が上手く説明できなくなります。そして、上の図が示すように、中学校に行く年齢ぐらいになると子供達がバタバタと学校を辞めていくのですが、先ほど言ったように最富裕層ではこれに男女間格差が見られないのですが、最貧困層では女子が妊娠・出産で一足早く退学していくことになるのですが、これが中学校ではなく小学校からの退学なので、教育段階別の純就学率GPIのデータを混沌とさせるわけです。つまり、貧困の真っただ中にあるような国では、ジェンダーギャップ指数のような教育段階別のGPIではなく、年齢別就学率GPIを使わないとジェンダー格差が存在している場合に、それを捉えられないわけです。, 次に、もう少し経済発展させて、ネパールを見ましょう。宣伝ですが、来年の夏にネパールに行ってうちのNGOを使って幼児教育の調査をするので、ご支援を頂けるとありがたいです。さて宣伝はさて置き、同じくDHSのデータを見ると、初等教育のGPIが1.02、中等教育のGPIが0.96となっています。この結果で分かるように、国が豊かになって一握りの最富裕層のお子様達しか中等教育へアクセスできない、留年率が高過ぎるといったような状況から脱すると、ジェンダー問題が存在する社会の場合、全ての子供は中学校へやれないけどそのうちの何人かは送れるという家庭が、男子をえり好みするようになるので、中等教育の純就学率で男女間格差が見られるようになります。これを裏付けるかのように、最も豊かな層とその次に豊かな層では中等教育純就学率に男女間格差が存在していないのですが、ちょうど真ん中の層で最もこれの男女間格差が大きくなっています。, 実は、マラウイ同様、ネパールにも教育段階別の純就学率には現れない男女間格差が存在しています。現在世界的に教育の民営化が進み、ネパールもその例外ではありません。基礎教育段階で言うと、20%弱の子供は私立学校に通っている計算になります。当然、無料の公立学校とは違って、授業料がかかります。そして、公立・私立別に男女比を見ると、ネパールの根深いジェンダー問題が露わになります。教育省のデータによると、2017年の公立小学校の児童の男女比は1.06と女子の方が多くなっているのですが、私立小学校のそれは0.86とかなり女子が少なくなっている事が分かります。ちょうど私が教育の民営化を研究していることもあり、様々な国の教育の民営化に関する論文を読んでいるのですが、この授業料がかかる私立学校で女子が少ない問題というのは、途上国に広く見られる現象です。再度宣伝ですが、この教育の民営化と幼児教育がこんな感じでどう格差に影響するのかうちのNGOと分析しに行くのでご支援いただければ幸いです。, 話を戻すと、ある程度国が豊かになってくると、ようやくジェンダーギャップ指数が用いているような教育段階別の就学率GPIがその国にあるジェンダー問題を捉えられるようになってくるのですが、それでもまだ教育の民営化という世界的に見られる現象にこそ反映されるジェンダー問題を全く捉えられないので、教育段階別就学率GPIだけでは全くもって不十分だと結論付けられます。, これより豊かな国になると私も仕事をしたことが無くよく分からないので、話をOECD諸国に飛ばしましょう。字数も多くなってきたので足早にいくと、OECD諸国位の経済的豊かさになると、初等教育・中等教育へのアクセスの男女間格差は消滅し、物語の舞台が高等教育へと移ります。しかし、単純なアクセスだけ見ると日本を除けばほぼ全ての国で女性の方が男性よりも高等教育へアクセスしているのが現状です(詳しくは、日本の女性は先進国で最も学歴が低い?女性と子供の貧困を生み出す日本の女子教育)。, では、先進諸国にはジェンダー問題が存在しないのかというと、そんなことはありません。全ての先進諸国で男性の方が女性よりも賃金は高いし、衆議院(下院)での女性国会議員比率が過半数を超える国も存在しません。そして、これは高等教育のデータをもっとよく見れば、そこに深刻なジェンダー問題が発生しているのも分かります。 平均してみると、確かに高卒よりも大卒の方が生涯収入が高いのですが、大卒の中にも大きな分散が存在しています。その分散を生じさせている最大の要因は大学で学んだ内容です。Science, Technology, Engineering, and Mathという4つの専攻の頭文字を取ったものをSTEM教育と称するのですが、このSTEM教育の卒業生は生涯収入が 高く、人文系や教育系(! 日本のジェンダー・ギャップ指数=153カ国中121位。 アイスランドは、それまでは男女格差の大きい国でした。 そのことを伝えるには、同じくジェンダー平等をテーマに掲げる国際女性デーが一番相応しいと考え、朝日新聞に広告を掲載しました。 背景/日本のジェンダー・ギャップの現状 . 経 けい 済 ざい ・ 政 せい 治 じ ・教育・健康の分野で男女の 違 ちが いを 比 くら べたもの。. 生き方や働き方も窮屈なものにしている。 2.2. はじめに. ジェンダーギャップ指数(GGGI)改善に向けて 日本BPW連合会は、ジェンダーギャップ改善に向け、世界経済フォーラムが2006年以降毎年公表しているジェンダーギャップ指数(GGGI)に注目し、2014年より関連イベントを実施すると共に、その議論から提言をまとめて関係方面に提出している。 成人女性の9割が家事も仕事も実際に放棄したことで、女性の労働力がなければ社会が回らないという危機感は一気に広がり、同時に国民の半数を占める女性票を取り込むために政治も動きました。, 結果、翌1976年にはジェンダー平等法が採択されました。 世界経済フォーラムが2018年末に発表したジェンダーギャップ指数の日本の順位は144ヶ国中110位、g7では最下位という結果となった。この指数は「教育」「健康」「政治」「経済(働き方)」の4つの分野が評価対象となり、日本はそのうち「政治(125位)」と「経済(117位)」で低い評価を受けた。 https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/kigyo100sen/practice/pdf/2014november.pdf p14, 図6の上のグラフは青線が女性取締役のいない企業、赤線が女性取締役のいる企業の「株価パフォーマンス(=その企業に投資した場合の収益の高さ)」を示したものです。, リーマンショックの落ち込み後、女性取締役のいる企業の方が、投資家により良い業績をもたらしています。, また、下のグラフは、日本を含む主要国の株価指数のひとつである「MSCIワールド指数」について見たものです。 そのことを伝えるには、同じくジェンダー平等をテーマに掲げる国際女性デーが一番相応しいと考え、朝日新聞に広告を掲載しました。 背景/日本のジェンダー・ギャップの現状 . この指標は、 経済、政治、教育、健康の4つの分野のデータから作成されます。. 世界経済フォーラムが発表したジェンダー・ギャップ指数2020の日本の順位は、153カ国中121位。この指数を構成する4分野(経済・政治・教育・健康)の中で、日本は特に経済と政治において低い評価を受けています。 http://www3.weforum.org/docs/WEF_GGGR_2020.pdf p183、201, そのうちのひとつは「ジェンダークオータ制」というもので、国の男女人口比に基づいて企業役員や議員などの一定割合を女性に振り分けるという制度です。 (Global Gender Gap Report 2020 と World Happiness Report 2020を元に作成) ジェンダーギャップ指数で教育項目はどのように評価されているか? 3. ジェンダーギャップ指数の教育項目の問題点4. 2008年のリーマンショックもものともせず、成長路線を維持していたのです。, 経済産業省が、企業内での女性の働き方とその企業の利益率について調べた結果、男女の勤続年数格差が小さい企業、女性管理職の比率が平均より高い企業、女性の定年前再雇用制度がある企業の方が、そうでない企業に比べ利益率が高い傾向にありました*6。, また、ジェンダーギャップ指数と幸福指数にも相関がありそうです。 ジェンダーギャップ指数…. 2020年内に100万本のペットボトル削減に取り組む「mymizu」とは, ゼロ・ウェイストの町、上勝町。 「自然エネルギー由来100%」の電気でつくられた ビールの誕生の裏話. 日本のジェンダー・ギャップ指数が低い理由を政治や男性のせいにしても何も変わらない。だから、未来の日本のためにできること、女性達ではじめよう! 10年後、20年後、日本のジェンダー・ギャップ指数を上げていくために。 父親の育児休暇取得率は74%にのぼっています*1。 ジェンダーギャップ指数で教育項目はどのように評価されているか?3. https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/kigyo100sen/practice/pdf/2014november.pdf p14, 図7 「Global Gender Gap Report 2020」 ジェンダーギャップを解消するために「105位からの挑戦」 2013年の日本のジェンダーギャップ指数(GGGI)が136か国中105位(2013年)の現状をふまえ、外務省シャインウィークスサイドイベントして開催。 『2014年の提言・報告書』はこちらから 世界経済フォーラムが発表した2019年の「ジェンダー・ギャップ指数」では、日本は153カ国のうち121位となり、前年の110位からさらに後退しました。 検索の使い方 内閣府ホーム > 内閣府男女共同参画局ホーム > 男女共同参画とは > 男女共同参画白書 > 男女共同参画白書 令和元年版 > I-1-16図 各分野におけるジェンダー・ギャップ指数 https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2020/0310/shiryo_08.pdf p1, さらに、クレディ・スイスの調査によると、アイスランドで女性首相を誕生させるきっかけとなった2008年のリーマン・ショック時に、全世界の企業のなかで女性取締役を1人以上有する企業はそうでない企業に比べて良い業績を残していることがわかっています。 世界経済フォーラムが発表したジェンダー・ギャップ指数2020の日本の順位は、153カ国中121位。この指数を構成する4分野(経済・政治・教育・健康)の中で、日本は特に経済と政治において低い評価を受けています。 雇用主によるジェンダー差別や、求人や広告での女性差別を禁止するものです。, さらにストから5年後の1980年には、初の女性大統領が誕生するまでに至っています。, 通貨暴落で財政が破綻していく中、金融界に女性がいなかったことが取り沙汰され、その後2009年には初の女性首相が誕生しています。, なお、アイスランド初の女性首相となったヨハナ・シグザルドッティル氏はLGBTQとして世界初の首相でもあり、2010年には長年のパートナーである女性作家と正式に結婚しました*4。, ゴールドマン・サックスは女性の就業率について、「女性就業率が男性就業率と同じレベルまで上昇すればGDPは10%押し上げられる」と推計しています*5。, また、世界的コンサルティング会社であるアメリカのマッキンゼー・アンド・カンパニーは、役員に女性がいる企業のパフォーマンスは高い傾向にあるとしています(図5)。, 図5 女性役員と企業パフォーマンス(出所:「女性活躍の加速に向けて」内閣府資料) アイスランドの場合は、4名以上で構成される上場企業の取締役会や公共の委員会は、メンバーの40%以上を女性とすることが定められています。, そして、アイスランドは男性の育児休暇取得率の高さでも名高い国です。 本セミナーのテーマは「ジェンダーギャップ121位の国からの脱却」とされています。. ジェンダー・ギャップ指数2020の世界の平均は0.686です。 日本の総合スコアは0.652、順位は153カ国中121位で、日本の部門別の順位は、政治が144位、経済115位、教育91位、健康40位となっています。 2019年12月17日に発表された世界経済フォーラム(WEF: World Economic Forum)による19年の「ジェンダー・ギャップ指数」(the Global Gender Gap Report 2020)。日本が前年の110位から順位を下げて153カ国中121位に甘んじたというニュースは、「予想通り」の結果であったと、ジョイセフは考えています。 そして、シェアして周りに広めることが 「世界経済フォーラム(wef)」は2019年12月、男女格差を分析した「ジェンダーギャップ指数2020」を発表。日本は153カ国中121位という結果となった。この記事では主要国のランキングと分野別のスコア、そしてジェンダー格差が引き起こす問題点について解説する。 「ジェンダー・ギャップ指数」という言葉をニュースで見かけたことはないでしょうか。 世界経済フォーラムが毎年、153か国の男女格差についての指数を算出し公表しているものです。 ジェンダー平等の実現はSDGsのひとつでもあります。ジェンダー・ギ… ジェンダーギャップ指数、日本は153カ国中121位 「ガラスの天井を打ち破る」ところにさえ到達していない国で生き延びるために 2016年の米大統領選で、「フェミニズムの旗手」とされてきたヒラリー・クリントンがトランプに敗北した。 2019年の「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数(ggi)」(世界経済フォーラム)において、過去最低の153カ国中121位となった日本。 GGIがスタートした2006年には86位だったことを考えると、日本の転落は著しいとジェンダー・国際協力専門家の大崎麻子氏は語る。 ジェンダー・ギャップ指数そのものの順位だけを121位から大きく上昇させることは、実は簡単です。指数の算定基準は明らかになっているのですから、その数値を素直に上げていくことをしていけばいい。 ジェンダー・ギャップ指数とは、Gender Gap Index、略してGGIとも呼ばれる、世界各国の男女間格差を数値化した指標でもあります。. 2020年の「ジェンダーギャップ指数」を見ると、男女格差の少ない国は1位アイスランド、2位ノルウェー、3位フィンランドとなっています。 日本は健康や教育の分野では男女格差がほとんど見られないものの、全体では153か国中121位となりました。 青線は女性取締役がいる企業の株価指数をそうでない企業のものと比較した数字の推移です。, 女性取締役がいる企業は2006年から2011年までの間に、女性取締役のいない企業に比べて株価指数を26%上昇させていることがわかります。 ジェンダー・ギャップ指数そのものの順位だけを121位から大きく上昇させることは、実は簡単です。指数の算定基準は明らかになっているのですから、その数値を素直に上げていくことをしていけばいい。 世界経済フォーラムが発表した2019年の「ジェンダー・ギャップ指数」では、日本は153カ国のうち121位となり、前年の110位からさらに後退しました。 はじめに 2. 世界的指標・ジェンダー・ギャップ指数とは. http://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2019/202003/202003_07.html, 図3、4 「Global Gender Gap Report 2020」世界経済フォーラム 3. 男尊女卑──。令和の時代になって化石ともいえるような言葉が、日本にはまだ現実として残っているようだ。 それを証明するランキングとして、男女の格差が、なんと世界で121位だということをご存じだろうか。世界で121位ということは、もちろん主要先進国では最下位になる。 どのような取組でジェンダーギャップが解消されているのか、ジェンダー格差の低い国について見てみましょう。, アイスランドのジェンダー・ギャップ指数を項目別に見ると、図3のようになっています。, 図3 アイスランドのジェンダーギャップ指数(出所:Global Gender Gap Report 2020) なお、日本での男性の育児休暇取得率は、平成30年度で6.16%でした*2。, また、保育施設の充実も女性の社会での活躍を後押ししています。 近年では、女性が職場でハイヒールやパンプスの着用を義務付けられることに抗議する「KuToo運動」がありました。, このように、ジェンダーの不平等解消とは「女性の地位向上」という、人権問題としてフューチャリングされることが多くありました。, しかし実際、市場経済で女性役員の存在感が明確になっていること、世界でも女性が国のトップとして活躍する姿が当たり前に見られるようになりつつある現代では、ジェンダー格差の解消は「国家の人材開発」であるとも言えるでしょう。, 既存の枠に囚われず、男女の「機会均等」を図ることで、これまでの男性中心の枠組みには入ってこられなかった優秀な女性リーダーが現れたとしたら、それは企業や国として、一線で活躍してもらわない手はありません。, 国の経済や政治の世界で男女を問わず真に優秀な人材を重役にも配置しているかどうかが、今後「伸びる国」と「そうでない国」を大きく分けることにもなりそうです。, 日本や世界で起こっている様々な問題を知ること、 女子教育問題の見落としが致命傷になる理由大分長くなったので手短にまとめますが、なぜこのような女子教育の問題が発生するのかというと、税制であったり、労働市場の問題だったり(詳しくは日本の女性は職場でフェアに扱われていない。学歴やスキルの差だけでは説明できない男女の扱われ方の違い)、幼児教育の不備だったり、学校の問題だったり(詳しくは女性教員の存在が女子学生の能力を引き出す 女性教員比率が先進国で最も低い日本)、家庭の問題だったり(詳しくは家庭からはじめるジェンダーステレオタイプの解消と、再生産)と、様々な問題が絡み合って発生しているわけで、あれかこれかではなく、あれもこれも、という取り組みが必要なわけです(詳しくは日本は大学教育で得るメリットの男女格差が先進国で最大 対策に必要なのは「あれもこれも」の視点), かつて私はジンバブエという国にいましたが、この国はハイパーインフレーションのせいで日本でも一躍有名になりました。なぜこの現象が起こったのかというと、その一因には(他にも経済制裁や軍事出兵などいくつかの要因がありますが)ムガベ大統領が白人から土地や企業を取り上げ黒人へと分配したのですが、黒人の知識やスキルが不十分であったために、人口は減らないから総需要はさほど変化しないにもかかわらず、総生産が激減してしまったため、需要に対して生産が追い付かない、超物不足状態が発生したという点が挙げられます。確かにハフポの記事にあるように、女性政治家の成り手を増やすのも一手ではあるのですが、あれもこれもの視点で女性問題に取り組み、先進国で断トツで最悪の女性の教育問題を解消し、女性政治家の成り手に相応しい人材を増やしていくのも必要ではないでしょうか(実際に、日本の国会議員を見るとやたらと高学校歴(≠高学歴)の人が多いので、トップスクールでの女子教育問題を解消するのがとても重要なはずです、詳しくは日本人は「エリート」が好き? 衆議院選の結果から見る、女子教育の拡充がジェンダーギャップ指数の改善に欠かせない理由)。経済面の問題についても全く同様で、クオータ制の導入や労働市場での女性差別問題を解消するのも一手ではあるのですが、女性の人的資本を向上させる必要もあります。, 最後にまとめると、より良い日本にするためには、ジェンダーギャップ指数という使えない指標の結果であれかこれかを考えるのではなく、あれもこれもという取り組みで先進国で断トツに最悪な女性の教育水準の問題を解消し、女性の人的資本という根っこの所から女性問題を解消していくことが求められているでしょう。帰国する予定はないので、より良い日本に出来るようにみなさん頑張ってください。, サルタック・シクシャは、ネパールの不利な環境にある子供達にエビデンスに基づいた良質な教育を届けるために活動していて、現在は学校閉鎖中の子供達の学びを止めないよう支援を行っています。100円のサポートで1冊の本を子供達に届ける事ができます。どうぞよろしくお願いします。, ミシガン州立大学の博士課程の学生で教育政策を専門にしています、頂いたサポートは私が理事を務めるNGOの活動資金にしますのでよろしくお願いします。詳しい自己紹介はコチラ→, 日本の女性は職場でフェアに扱われていない。学歴やスキルの差だけでは説明できない男女の扱われ方の違い, 日本は大学教育で得るメリットの男女格差が先進国で最大 対策に必要なのは「あれもこれも」の視点, 日本人は「エリート」が好き? 衆議院選の結果から見る、女子教育の拡充がジェンダーギャップ指数の改善に欠かせない理由, http://www.sarthakshiksha.org/ja/who-we-are/staffs/sh/.
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