中国 労働市場 問題
中国のalmpsの問題点と労働力市場の整合性問題も触れることにする。 1. 98 大原社会問題研究所雑誌 No.526・527／2002.9・10 1 はじめに 近年，中国の労働問題に関する研究が数多く 存在しているが，そのほとんどは対象と時期を 「クリップ機能」は、また読みたいと思った記事や、後からじっくり読みたいお気に入りの記事を保存する機能です。クリップした記事は、メニューから「マイページ」を開き「クリップ」を選ぶと一覧で表示されます。 詳細を読む, 「このシリーズの続きが読みたい」「この議論の展開を見届けたい」と思った時に便利な機能です。「WATCH」すると、そのシリーズの新着記事が配信された際に、Raiseの場合はその議論に新しいコメントがついた際などに通知されます。 詳細を読む, 「誌面ビューアー」は、紙の雑誌と同じレイアウトで記事を読むための機能です。ウェブブラウザーで読みやすいようにレイアウトされた通常の電子版画面とは異なり、誌面ビューアーでは雑誌ならではのビジュアルなレイアウトでご覧いただけます。スマートフォン、タブレットの場合は専用アプリをご利用ください。 詳細を読む, 日経ビジネス電子版では、閲覧を制限している状態を「鍵が掛かっている」と表現しています。有料会員としてログインすると、鍵の有無にかかわらず全ての記事を閲覧できます。登録会員（無料）でも、月に一定本数、鍵付き記事をお読みいただけます。 詳細を読む, 記事の内容やRaiseの議論に対して、意見や見解をコメントとして書き込むことができます。記事の下部に表示されるコメント欄に書き込むとすぐに自分のコメントが表示されます。コメントに対して「返信」したり、「いいね」したりすることもできます。 詳細を読む, 記事末尾の「投票」ボタンを押すことで、その記事が参考になったかどうかを投票する機能です。投票できるのは1記事につき1回のみ。投票の結果はすぐに反映され、トップページの記事リストなどにも表示されます。評価の高い記事を選んで読むといった使い方ができます。 詳細を読む. 齢化という先進国型の人口問題も生み出されている。 • 中国の労働力人口は、2012年に減少に転じ、高度成長を支えてきた人 口ボーナスも消失しつつある。一方、高齢人口比率が急上昇し、医療費 や年金といった負担も社会に重く圧し掛かる。 i 中国の労働争議の現状と中華全国総工会（acftu）としての対応策. 中国における労働問題には、以下の特徴がある。 （ 1 ）上司に対する不満など個人の問題と会社との労働争議が一体化し、感情的になりやすい。 （ 2 ）労働者の親族が会社に来て騒いだり、管理者に電話やメールで付きまとったりするケースがある。 中国製産品は安価である一方で、化学物質の管 理をはじめ製品の安全性に懸念があったことや、 児童労働・強制労働などの事例が数多く報告され ていることから、欧米の一部企業から中国の提携 先・取引先企業にcsrの一環として労働問題に関 1．中国の労働争議の現状とその特徴 ～高止まりの様相を呈する労働紛争～ 近年、中国では、市場経済体制の発展に伴い労働環境も多元的で複雑化の様相を呈している。 中国、韓国における若年雇用問題の現状 ――北東アジア労働フォーラムより 調査部国際研究交流課 jilptは2017年11月17日、中国労働社会保障科学研究院（calss）、韓 国労働研究院（kli）と共催で「北東 アジア労働フォーラム」を東京で開催した。 金一虹（2000）（6）の研究によると，中国では城鎮の非正規就業市場の労働者の構成については， 「①「下崗」された労働者の一部，②都市に流れ込んだ「農民工」（7），③一度労働市場から退出し 再び戻る労働者」の三者からなると説明した。 中国の労働関連制度の問題点 丸川知雄（東京大学社会科学研究所） 1．労働者の安全 一見して危険な生産現場。労災事故も多数起きているはずだが、果たしてその実態は正 確に把握されているのだろうか？ （1）労災事故の状況 労働力市場の分断性 労働力市場では制度障害が存在している。労働力が自由に移動できる基本の前提条件は 労働力市場が整備されていることはいうまでもない。 急成長を続け、将来的にはアメリカのGDPを追い抜く可能性もあると言われる中国ですが、格差が広がり、社会的安定の維持が大きな課題となっています。, GDPの拡大によって低所得層の所得が底上げされ、皆が成長の果実を実感すれば、社会的緊張が緩和され、格差が社会不安につながる可能性は小さくなります。しかし、中国は生産年齢人口がすでに減少局面に入っており、日本と同じく人口オーナス期を迎えています。, 人口動態の変化により、経済成長率の趨勢的な低下が不可避であるとすると、その中での格差拡大は社会的安定を失わせる重大なきっかけとなりかねません。今回の人口・労働問題研究所の張車偉所長と趙文副研究員のコラムは、中国の格差拡大の背景と政府が行うべき所得分配政策についての論考です。解説を挟みながら、ご紹介していきます。, 2017年の中国の1人当たりGDP（国内総生産）は5万9660元、米ドル換算(1ドル=6.3人民元)では9470ドルとなり、中国は確実に中所得国の仲間入りを果たした。同時に中国の産業構造はさらに合理的になり、経済成長パターンは持続可能性を増し、社会発展のビジョンはより明るくなった。, しかしながら、いかにして改革と発展の成果を、より多くより公平に国民全体に行き渡らせるのか、如何にして国民全体の共同富裕を実現するのか、という問題は、一貫して我々の前に横たわる難題である。, これを解決するには、合理的で秩序のある所得分配制度を確立することが不可欠となる。中国共産党第十九回党大会の報告は、「労働に応じた分配の原則を堅持し、生産要素に応じた分配の仕組みを整備し、所得分配がより合理的で秩序あるものとなるように促す。法律を守り勤勉に働くことによって豊かになることを奨励し、中間所得層を拡大し、低所得層の収入増加を図るとともに、高すぎる所得を調節し、不法所得を取り締まる。経済成長と比例した個人所得の増加を実現し、労働生産性の向上と比例した労働報酬の増加を実現することを堅持する。個人の勤労所得と財産所得のルートを広げる」とした。これが、今後、党が所得分配改革を実施する上での方向性を示している。, 労働分配率とは、付加価値に占める総人件費の割合を表す指標である。労働分配率が高ければ、労働者が享受する経済成長の成果がより多いことを意味する。, 2001年のWTO加盟後、中国の労働分配率は2011年まで低下したが、その後、上昇に転じた。2001年から2011年にも経済成長が続いたにもかかわらず、なぜ労働分配率が低下したのだろうか。, 当時、中国では農村から都市への移転可能人口が大量に存在し、実際に膨大な数の労働者が都市に転入、労働集約型産業をリード役に中国経済は急速に発展した。しかし、労働力が過剰であったことから、賃金は低水準に止まり、経済成長の成果の多くの部分は資本分配に帰した。そのため、労働力の増加にもかかわらず、労働分配率は低下し続けたのである。, 2008年に世界金融危機が発生し、輸出減少と労働力過剰から不足への転換という二つの変化によって、中国の労働分配率は少しずつ上昇軌道に乗り始めた。金融危機は先進国の需要を大幅に減らし、中国の輸出が受けたダメージも大きなものとなった。GDP成長率に対する純輸出の寄与率は、2002年から2007年までの平均がプラス5.5％ポイントであったのに対し、2009年は42.6％ポイントもの大幅なマイナスとなった。, その後、2010年から2016年にかけて、純輸出の平均寄与率はマイナス3.4％ポイントとなった。世界金融危機前の中国の輸出は、労働集約型製品を主力としていたため、雇用創出力の大きなこの分野の産業が深刻な打撃を受けた。国内産業は非労働集約型産業への転換を進めることとなる。, 一方、2012年前後から、15～64歳人口が減少し始め、新たに増加する労働力が徐々に縮小した。労働市場の需給は徐々に均衡状態に近づいていった。このような国内外の要因によって、労働報酬を抑えてきた伝統的な状況に終止符が打たれ、労働分配率は2011年の41.5％から2016年の46.7％まで上昇した。労働力人口が安定を保ち、労働分配率が上昇する中、名目賃金は大幅に増加し、実質賃金は小幅に増加した。, 2010年～2016年は、世界金融危機を徐々に脱し、労働需要は回復。その中で中国の生産年齢人口が減少し始め、労働需給がタイトになっていきました。 この論文では明示されていませんが、中国はこの時期に「ルイスの転換点」を超えたとの見方が有力です。ルイスの転換点とは、過剰だった労働力が不足に転じるターニングポイントのことで、この影響は潜在成長率の低下にとどまらず、賃金と物価や、所得分配にも及んでくることになります。, 中国の給与生活者は国民所得の分配メカニズムの中で、かつての労働供給過多時代の影響を受けて、不利な立場に置かれている。それだけでなく、税金・費用負担の重さも彼らに追い打ちをかけている。世界的に見ても、中国の被雇用者の税金・費用負担は重い。現在、中国の被雇用者が負担する税金・費用には、個人所得税、住宅積立金、各種社会保険料などがある。, 被雇用者が納付する基本年金保険、基本医療保険、失業保険の保険料は、名目上はそれぞれ賃金の8％、2％、1％を占めている。住宅積立金について、雇用者と被雇用者が納付する金額は賃金の5～12％である。他方、雇用者の負担も重い。基本年金保険、基本医療保険、失業保険、労災保険、出産保険について、雇用者の負担が賃金総額に占める割合は、名目上はそれぞれ20％、6％、2％、1％、1％である。, このように、雇用者が納付する各種費用は賃金の32.5％～36％、被雇用者は13.5～17％、雇用者・被雇用者の各種負担を合わせたものが賃金総額に占める割合は、46～53％にもなるのである。要するに、収入の半分程度は労働者の可処分所得にはならない、ということになる。, 実際に納付された比率（賃金に占める割合）をみると、2014年時点では、個人所得税は3％、住宅積立金が6％、被雇用者負担の社会保険料が4％、雇用者負担の社会保険料が12％であり、これら4つが労働報酬総額に占める割合は26％であった。3分の1に近い収入が、労働者の「非」可処分所得と化しているのだ。, 企業や被雇用者の税金・費用負担の重さはかねてより指摘されています。習近平国家主席が主導するサプライサイドの構造改革では、①過剰生産能力の解消、②過剰不動産在庫の削減、③デレバレッジ（負債比率の低下）、④企業コストの引き下げ、⑤脱貧困、新産業の育成・発展など弱点の補強、が5つの柱に据えられています。特に④では、企業の税金・費用負担、社会保険料、財務コスト、電力料金、物流コストの引き下げなどが重点とされていますが、張・趙論文は、企業だけではなく、被雇用者の税金・費用負担の重さを是正する必要性を強調しています。, 国民（世帯）間の所得格差はジニ係数で測ることができる。ジニ係数は0から1の間の値を取り、1に近づくほど格差が大きいことを表す。各国の経験に基づけば、ジニ係数が0.3以下ならば、所得格差が非常に小さいと見てよい。0.4より大きい場合、所得格差は比較的大きく、社会矛盾が深刻化しやすくなると見做される。社会の再分配機能が比較的健全である西欧・北欧・オーストラリア・日本・韓国などでは、一般的にジニ係数が0.4以下を維持し、社会は調和がとれ安定している。その一方で、ラテンアメリカの一部の国ではジニ係数は0.5以上となっている。, 中国は国民の可処分所得に基づくジニ係数を発表している。2013年に国家統計局が正式に発表するようになったが、それ以前にも多くの民間調査機関が中国のジニ係数を推計していた。民間調査によれば、中国の改革開放初期のジニ係数は低く、一般的に0.2以下であったが、1990年代に入ると、上昇し始め、2000年頃には0.4、2008年頃には0.5近くまで跳ね上がったという。, こうした民間調査機関の調査対象は十分に広いとは言い難いが、中国の所得格差が深刻になっていった事実をある程度反映している。また、国家統計局の公式データもそれを裏付けており、2003年のジニ係数は0.479という高い水準であった。, 所得格差の拡大を受け、2013年に国務院は、「所得分配制度改革の深化に関する若干の意見」を打ち出し、所得格差の是正に向けた改革措置を全面的かつ細やかに講じた。ここ数年、中国政府は都市化を推進し、都市・農村間における労働力移動を妨げる要因を取り除き、都市と農村の均衡のとれた発展の促進に力を入れてきた。それによって、都市・農村間、地域間という2つの所得格差を縮小する力がもたらされたのである。, そして、2009年から（国務院の施策前だが、推定される理由は後述）ジニ係数は小幅とはいえ低下し始め、2015年までの7年にわたり低下した。2015年のジニ係数0.462は、2003年以降で最も低い数字となった。2016年は0.465に上昇したが、上昇幅は大きなものではなかった。, それでは、中国の所得格差は、既に趨勢的に縮小する段階に入ったと見做すことができるのであろうか？ 都市・農村間および地域間格差は徐々に縮小しているとは言え、それを根拠に中国全土の所得格差が既に趨勢的に縮小していくとは安易に断言できない。なぜなら、正確に把握されていない「統計外所得」は、ジニ係数の推計に影響を与え得る重要な要素であるが、現状では、これは考慮されていないためである。, ここ数年でも、およそ2割の国民所得が国勢調査でカバーされておらず、2015年の統計遺漏率は19.5％に上った。そのうち、高所得層の営利収入や財産収入に由来する部分がもっとも大きい。2009年以降、ジニ係数が低下した理由は、高所得層の一部所得が「統計遺漏」とされた結果という可能性がある。こうした統計外収入をジニ係数推計時に考慮すれば、中国のジニ係数は0.1ポイント程度高くなるだろう。, したがって、実質的には、ジニ係数は低下しているのではなく、高水準のままで推移しているのである。言い換えれば、中国の高所得層の所得水準は統計に表れるよりも高く、実際の所得格差は公式統計よりも大きくなる。であれば、所得格差を是正するのに必要な政策はさらに強力なものとしなければならない。, ジニ係数を合理的な範囲内で安定させられるかどうかは、政府のガバナンス能力を測る重要なバロメータでもある。ガバナンス能力の弱いラテンアメリカの一部の国では、ジニ係数が0.5以上となっている。ここ数年、中国のジニ係数は表面的には低下しているが、先進諸国と比べると依然として高い。OECD(経済協力開発機構)のウェブサイトで公表されたデータによると、2012年時点で大多数の加盟国のジニ係数は0.3程度である。例えば、オーストラリアとイタリアが0.33、フランスと韓国が0.31、ドイツが0.29、イギリスが0.35、米国が0.39である。これらの国と比べ、中国のジニ係数は、やはり明らかに高いのである。, 張・趙論文は、国家統計局が発表するジニ係数の推計には、高所得者層の「統計外所得」が含まれていないために、実態を必ずしも正確に表していないのではないか、との警鐘を鳴らしています。中国のジニ係数が公式に発表されている0.465（2016年）よりも、実際は0.1ポイント高いとすれば、ラテンアメリカの一部の国と同様の0.5以上となり、社会矛盾や不安が深刻化しやすい危険な状態ということになります。なおOECDのデータによれば、2012年時点の日本のジニ係数は0.33と、オーストラリアやイタリアと同水準となっています。, 合理的で秩序ある分配制度を確立するには、まず一次的分配において、市場が決定的な役割を果たし、労働と資本の合理的な所得分配を行うようにすることが重要である。そして、二次的分配において、所得格差を合理的に調整し、改革と発展の成果をより多くより公平に国民が分かち合えるようにし、国民全体が共同富裕していくようにしなければならない。この目標を達成するためには、以下のいくつかの解決策が考えられる。, 第一に、労働分配率を引き上げ、所得の合理的な増加を確保する。現在、労働市場は労働者側に有利な方向に展開している。これを機に、市場の主体である労働者と企業が賃金引上げを自ら決められるようにするべきである（齋藤注：中国では各地方の最低賃金を各地方政府が決定し、基本的には2年に1度改定することが求められている。これまでの企業の賃金決定の際には、この最低賃金が強く意識されてきた経緯がある）。, 同時に、経済成長のパターンを転換し、体制やシステム上の障害を取り除き、とりわけ資本市場におけるゆがんだ要素価格を是正し、金利の市場決定メカニズムを改善しなければならない。業界と政府部門の利益関係を調整し、各セクター、特に労働集約型産業、民営企業、川下産業においても、合理的な利益を得られるようにし、賃金引き上げのためによい環境を作らなければならない。労働者に対する保護を強化し、賃上げの団体交渉制度を作り、賃金決定に対する一般労働者の発言権を強めなければならない。, 第二に、財産収入の割合を引き上げ、国民が資本収益を享受できるようにする。生産要素市場を整備し、資本市場改革の推進を加速する。市場化改革を力強く加速し、資本市場における独占と行政干渉を排除し、民間資本に対する差別意識と障壁を打ち壊し、統一され開放的で競争秩序のある金融システムを構築する。公正で競争のある市場環境を整備し、資源の配分において市場が決定的な役割を十分に果たせるようにし、所得分配に対する市場以外の制度的要因の影響を払拭する。都市と農村の土地の要素市場を健全化し、国有土地の市場取引と収益分配メカニズムを整備する。農村の土地の権利確認を推し進め、財産権を明確にし、農村の土地財産権取引市場を秩序立ったものにし、公平で合理的な農村の土地の収益分配メカニズムを形成する。, 第三に、国民の税金・費用負担を軽減し、個人所得税の制度改革を行う。中国は増値税（齋藤注：増値税とは中国の税収の約4割を占める付加価値税。中国国内での販売や輸入に対して増値税が課せられる。ただし税率は、日本の消費税とは異なり一律ではなく、対象品目や売上規模に応じて異なる税率が課される）を政府の主要財源としており、個人所得税は政府の主要な財源ではない。増値税のメリットは、監督管理・徴税コストの低さ、税収の安定性にあり、税収は生産、経済の発展とともに増加する。このように、増値税は中国の国情に合った税と言える。, 対照的に、個人所得税は監督管理のコストが高く、徴税が難しい。さらに、納税者は負担を重く感じており、脱税、納税漏れに強いインセンティブがある。実際、中国では、増値税が各種税金に占める割合は30％であり、政府の主要な財源の一つである。それに対し、個人所得税は7％足らずで、大した財源にはならない。したがって、現段階では、個人所得税を主要財源にする必要性も可能性もなければ、将来的にもそうする必要性はないと考えられる。, その一方で、分配調節機能の点では、個人所得税にその機能を発揮させる必要がある。増値税をはじめとする間接税は、多くの利点を持つが、国民の所得格差の是正にとっては、有力な手段ではない。しかし、個人所得税は、所得あるいは財産所得を課税対象とするものであり、累進税率を適用しやすく、所得分配を調整する重要な役割を果たすことができ、公平な負担原則にも適合している。, 中国は個人所得税にその分配調整機能を十分に発揮させることを通じて、不合理な分配を是正すべきである。改革の主な方向は、総合課税と分離課税を結合した個人所得税制度の確立である。短期的な目標として、個人所得税の基礎控除額を大幅に拡大し、労働者の給与所得税の税率を引き下げ、その負担を軽くすべきである。, 張・趙論文は、合理的な所得分配制度の確立には、労働分配率の引き上げ、被雇用者の税金・費用負担の引き下げによる可処分所得の増加、そして資本市場改革による財産収入の増加が不可欠であると説きます。中国政府は10月1日より、個人所得税の基礎控除額を月額3500元（約5.8万円）から月額5000元（8.3万円）に引き上げることを発表しました。これによって、減税効果が期待されます。さらに、この論文は、所得の再分配機能を高めるには、累進課税が採用されている個人所得税の機能を重視しています。当然、「統計外所得」や「統計遺漏」の捕捉強化は言うまでもありません。, 以上は、所得格差にまつわる論考でしたが、これだけ所得格差が広がっていれば、資産格差は著しく拡大していると思われます。今後は、上海市と重慶市でテスト導入されている高級住宅に対する不動産税を全国に展開するとか、富の再分配を目的とする相続税の導入議論が、活発化してもおかしくありません。前者は既に俎上に載っていますが、後者の議論はあまり活発ではないというのが現状です。, この手の論考の紹介を感謝したい。分析の当否が問われるのではなく、まず、基礎的な情報として評価すべきだと考えるべきなので、本記事に対する「読者レビュー」の評価の偏りが、むしろ気になる。, 中国の所得格差の状況が垣間見えて面白かった。これからは，今までのように一本調子で成長とはいかない事を中国の識者も認識している事は心強い。中国の政策で根本的に変えられないことと積極的に変えていくことを仕分けし，それらをどう政策的に実現していくか。その戦略について解説してくれるような記事があるとありがたい。個人的には中国は国策としての一党独裁，共産主義は変えないと思っている。そこに絡んでいる，持続的成長や統制の維持はこれからも堅持していく方針だろう。その一方で，都市と農村の関係については許容度・自由度がかなりあるようにこの記事からは読めた。そうすると，都市への農民の移動を積極化するのかどうか。これを進めすぎると，農村の荒廃が急激に進み中国文化の多様性が失われてしまう。豊かになった中国には多様性の保護を進めて欲しいものだ。少数民族文化の保護を積極的に進め，また，「違い」を許容する態度が「優しさ」に繋がって，強いだけではない本当に豊かな「徳の高い」国に代わることを心から願っている。, 成長が鈍化する中での格差拡大は社会的安定を失わせる重大なきっかけとなりかねません。今回の人口・労働問題研究所の張車偉所長と趙文副研究員のコラムは、中国の格差拡大の背景と政府が行うべき所得分配政策につい…, 今回のコラムは、中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究院の李向陽院長による「一帯一路」に関する論考です。「一帯一路」が、中国側にとってどのようなものなのか。その本質を知るために役立つでしょう。, 中国政府はなぜ「中国製造2025」を提唱したのでしょうか。「中国製造2025」はどのような特徴を有するのでしょうか。また、「中国製造2025」の過程において、日本企業もその果実を得られるような機会はあ…, 2020年10月、菅義偉政権は、温暖化ガスの排出が実質ゼロとなる「カーボンニュートラル」を50年までに実現すると宣言した。続いて12月末、実現の道筋を示す「グリ…, 米国立研究機関 ウイルス免疫学者がやさしく教える！ 対中国投資の潜在リスクの顕在化で、新たな投資先としてasean や南西アジアが注目されている。し かし、それら国々に進出しても、中国で顕在化した「労働者の確保難」と「賃金高騰」が解消するとは限 … その裏には中国の抱える様々な問題によって生み出される悲劇の若者がおり、それを生み出す三和人材市場があった。 僕は「フェアトレード！ 」などと言って、東南アジアやアフリカに目を向けて活動をして来たこともある。 中国におけるNEETは、未熟練労働力に対する需要が大きいにもかかわらず、供給側の高学歴化が進むというミスマッチ、あるいは、戸籍、農地、一人っ子政策などの制度によってもたらされたものと言え、問題はさらに深刻化し、社会を不安定化させる要因になる可能性がある。 労働分配率や年齢構造と経済成長など、人口動態と労働市場に関する論文多数。 2017年の中国の1人当たりGDP（国内総生産）は5万9660元、米ドル換算(1ドル=6.3人民元)では9470ドルとなり、中国は確実に中所得国の仲間入りを果たした。 四川大震災の四川省労働市場の需給に対する影響-----110 ææ¥ç¶ç£æ¥é£é¢ãã¼ã¿ãã¼ã¹, ãã¤ã¯ããã¼ã¿è¨éåæããã¸ã§ã¯ã, ä¸å½ã®éç¨æ å¢ããããå¤åã¨å°æ¥ã¸ã®èª²é¡. Copyright © Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved. 中国農村労働市場の変革及び沿海地域農村労働力不足状況と震災 後四川震災地の労働市場の変化-----108 5-1-1． 中国農村労働市場の変化及び「民工荒」の原因-----109 5-1-2. アジア日系企業の労働市場 103 次節以下で検討する3カ国について「経営上の問題点」を国別に掲げた のが表5である。韓国・中国・インドネシアにいずれにおいても「賃金上 昇」が首位にあり、韓国や中国では「コスト競争」の激化、中国・インド 中国農村における余剰労働力問題の展開 1）中国経済全体の視点から見れば，いうまでもなく食料問題であったと考えられる が，それは都市側からの視点といえる。食料供給側の農村においては余剰労働力 日本人がワクチンを打つ前に知っておくべきこれだけの真実, 受講特典付き記念セミナー「リモート環境でも組織の生産性があがる『心理的安全性』の取り入れ方」。講師には、心理的安全性など組織のコミュニケーション問題の専門家であるZENTechの石井遼介氏をお招きしました。, 日経ビジネス電子版のコメント機能やフォロー機能はリゾームによって提供されています。. つまり、中国の労働市場は雇用の総量ではなく、構造と摩擦の問題に直面している。以下では主に2つの問題とその対応策について述べる。 第1の問題は出稼ぎ労働者による労働供給の正常化である。出稼ぎ労働者は都市の雇用拡大に多大な貢献をしてきた。 つぎに、中国にあっては、大量の農村労働力の（複数）大都市への流入が、計画経済体制 から市場経済体制への移行期に端を発し、体制移行の本格化とともに急速に進展し、都市と 農村の双方における問題点を浮き彫りにしていった。 3.1 労働市場の排除期(1957年－1978年) 1957年社会主義改造運動 3 の完成に伴い, 都市においては国有化と公有化が達成され, 農村に 日本の労働環境は諸外国に比べて悪いのか？日本で働いていると、これが当たり前と思ってしまうため良いのか悪いのかわかりません。しかし労働環境の悪さを感じるニュースをよく目にするのも事実です。日本の未来のために労働環境の改善は必須です。 本稿では、世界最大の中間層を抱える中国で戦い続ける日系企業のために、経営課題や労働市場特性、他国資本会社の現地での人材マネジメントモデルを踏まえて、中国市場における人事ガバナンスのポイントについて述べたい。（人事・組織コンサルティング ニュースレター Initiative Vol.79） 第2部【中国労働市場の構造変化：実態と要因】は、中国の労働市場のさまざまな側面の分析であり、本書の中心的な結論部分を支える背後の問題を整理している。 第3部は、全体の総括と結論となる。 中国女性は結婚・出産後も仕事を続けるのが普通だったし、労働時間も男性とあまり変わらなかった （注1） 。そんな傾向に変化の兆しが出ている。仕事と家庭のバランスに対する配慮が働くようになっているためだ。 中国における労働政策と労働市場の変化に対して, 下記のような段階に分けて考察を進める.
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